PEOPLE DOWN UNDER

日本にいたら感じられないこと、知ることのできない異文化、わくわくすること発信します。

ここはライブ会場!?オーストラリアの教会がすごい!

 

突然ですがみなさん、教会って行ったことありますか?

多くの日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんね。

十字架のついた三角屋根の建物の中に大きなパイプオルガンや木の椅子が並んでいて、みんなで静かにお祈りをする。そんなイメージがあるのではないでしょうか?

 

今回わたしが行ってきたのはコレ。

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バンドのライブ会場。

ではなく教会です。

オージーの友達に車で連れて行ってもらったのですが、

「着いたよ!」と言われても教会が見当たらないのです。

近くにあるのはどこかの文化センターみたいな大きな建物。十字架の三角屋根をイメージしていたわたしは、それが教会だとは全く気づきませんでした。

さらに驚いたのは会場に足を踏み入れてから。

またまた刺激的な体験をしてきちゃいました。

 

―オーストラリアにおけるキリスト教

 

そもそもオーストラリアにキリスト教が広まったのは今から約200年前のこと。

ヨーロッパからやってきた入植者たちによって伝えられました。

1980年まではアングリカンが主流だったのですが、1986年頃からはカトリックが最も多くの人に信仰されるようになりました。

 

オーストラリアに対してキリスト教のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?実は国自体は、政治的にクリスチャンの国だとは宣言していないのです。

 

しかし2011年の調査によると、オーストラリアに住む61%の人が自分はクリスチャンだと思っていて、7%が他の宗教、そして22%の人が自分は無宗教だと言っています。

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(これは別の教会)

 

オーストラリアでも以前より無宗教の人たちが増えてきているようです。

実際に友達と話していても、特に宗教は信じてないっていう子が多いです。

 

―オー、ジーザス!!ノリノリな教会

ステージからの青白い光で照らされた薄暗い会場の中に、たくさんの人。

スモークも焚かれて独特な雰囲気。

建物の中は、さらに教会のイメージとはかけ離れたものでした。

だってノリノリでライブが始まったから!!!

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ステージにはドラムやベースを演奏している人たちと、中心で唄っている人たちが数人。しかもものすごく上手い!

もちろんここは教会なので流行の音楽などではなく、キリスト教、神についての歌です。

 

わたしはキリスト教徒でもなんでもないのですが、音楽の力ってすごい。

心に訴えてくるようなメロディの曲が多くて、なんか感動しちゃいました。

ノリノリで聴ける曲もあって、みんな体を揺らしながら一緒に歌います。

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(歌詞付きだからみんな歌える)

 

びっくりしたことなのですが、小さな子どもたちもいるんです。

子ども同士でステージの目の前を陣取って、音楽に合わせて飛び跳ねていました。

あの子たちにとっては、このライブ会場のような場所で神様についてのノリノリの曲を聴くことが当たり前なんだなあ、こうやって子どもに伝わっていくんだなあ。

 

さらによく見てみると、曲に合わせて体を揺らしている人たちの中に、異常に体をくねくねさせている人がいるんですよ。目を見張っちゃいました。

何かが乗り移ったかのように一心に体をくねらせて、踊っているのとはまた違う動きをしていました。

あとで友達に聞いたのですが、あれは神様を感じているらしいのです。

無宗教の私には想像することが難しかったですが、信仰心が強いのでしょうか。

 

何度も床に頭をつけている人もいました。日本でいう土下座みたいな姿勢。

その隣りには無邪気にそれを真似する子ども。何だかいろいろ衝撃的でした。

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―クオリティの高いプレゼンテーションもあり

 

音楽の後にはなんとプレゼンテーションがあります。

みんな着席して笑いあり教訓ありのプレゼンに聞き入ります。

もちろん内容は神について。

40代くらいのおじさんが聖書の文を引用しながら、スライドを使って神の教えを説きます。

 

ただそんなに堅苦しいものではありません。

優れたプレゼンテーションをたくさん見られることで有名なTEDみたいな感じ。

私が参加した回の内容は、「信じることについて、アダムについて」など。

知識も無いせいか、なかなか理解が難しくて「ほー。。」って感じでした。

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(スライドには聖書の引用が)

 

このプレゼンテーションの後に再び演奏が始まり、みんなで唄って終わり。という感じ。

参加者の年齢層としては、全体的に若い人が多い印象ですが、中には60代くらいの方もいらっしゃいました。ふと椅子の背もたれに何か入っているのに気付いて取り出してみると、こんなカードが。

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“I have decided to follow Jesus.“

“私は神に従うことを決めました。”

裏には名前や連絡先を書く欄があります。

これを提出したらキリスト教徒になれるのかな。

それとも教えを信じれば、それはもうクリスチャンということなのだろうか。

改めて宗教について考えさせられる。

 

そして、その日のプログラムが終わって会場を出るとそこにはフリーディナーが!!!

ピザが何枚でも食べられて、ジュースもタダ。ありがたい!!

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参加者はみんなフレンドリーでやさしい人たちでした。

キリスト教じゃなくても、音楽などの雰囲気は楽しめるんじゃないでしょうか。

 

世界には知らないことがたくさんあるなあ。

教会の概念を覆される経験でした。

 

(おしまい)

 (参照:Healey, K 1998, Religions In Australia, The Spinney Press, Balmain)