どうして?スタバがオーストラリアから撤退。
(ブリスベンのラジオ局、4EBの番組「Japanwave 98.1FM」で取り上げた内容を文字おこししました。)
スタバといえば日本では大人気のカフェ。学生、ビジネスマン、お話に花を咲かせるお母さんたちまで、みんなが心地よく利用できる居場所として定着しましたね。そんなスタバがなんとオーストラリアから撤退してしまうのです。
「うそでしょ!?オーストラリアの人かわいそう。」
なんて思ったそこのあなた。
これがオージーには痛くもかゆくもないんです。
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―オーストラリアに来ておどろいたコーヒー文化
(ユカ、トモカ、マチの3人が話します。)
ユカ:わたしがここブリスベンに来て感じたこととして、沢山のコーヒーショップが立ち並び、現地の人たちはよく片手にコーヒーを持っているな、ということです。
トモカ:そうですね、いっぱい飲んでますよね~。
ユカ:みなさんは何でこんなにもコーヒー文化がオーストラリアに根深く浸透しているか考えたことはありますか?今回はオーストラリアとコーヒー文化についてお話していこうと思います。
1か月程前、アメリカのブランドである有名なコーヒーチェーン店は採算が合わず、オーストラリアの企業に売却されるということが報じられました。
最大の理由は、
オーストラリアには元から深い深いコーヒー文化が根付いていて、他のコーヒー店などに勝てなかった
ということ。あの有名なコーヒー店の入る余地もないほど文化が根付いているってすごいですよね。
マチ:びっくりしましたよね!バリスタなどコーヒーの勉強をするために海外からオーストラリアに来るというのも聞きますし。あとは、オーストラリアは人件費が高いとかもあるみたいですね。
ユカ:このオーストラリアのコーヒー文化はどこから来ていると思いますか?
もともとオーストラリアはイギリスの植民地であったため、イギリス文化である紅茶がメインでした。
しかしその後、色々な国からやってきた移民達が徐々にオーストラリアの食生活に影響を与え、コーヒーを飲む文化が浸透していきました。
多民族国家であるオーストラリアならではの理由ですよね!
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なるほど。スタバの撤退の背景にはオーストラリアのつよいコーヒー文化があったんですね。
たしかにブリスベンで生活していると、国内のチェーン店や個人のお店も含め、
たくさんのコーヒーショップが軒を連ねています。
スタバが日本に入ってきた時、すごくおしゃれで洗練されたイメージがあったような気がしますが、そのイメージが薄れてしまうほどの、おしゃれで地元の人々に愛されているカフェがオーストラリアにはたくさん。
街のコンビニやファストフード店にだってエスプレッソマシンが置いてあるくらい。どこでもお手軽に本格的なおいしいコーヒーが飲めちゃうんです!
ちなみにオーストラリアは物価が日本より高いのですが、そのぶん時給も高いんです。
なんと最低賃金は約16ドル。一時間1600円くらい!!
わたしの周りのバイトをしている子も一時間に20ドルとか、びっくりするくらいもらっています。
(これはメルボルンのストリート。全部のカフェに入ってみたい!!)
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―フラットホワイト。オーストラリア独自のコーヒー
ユカ:そんなコーヒー文化をもつオーストラリアのブリスベンで、
日本では見た事のないコーヒーの種類を発見。
みなさんフラットホワイトというのは知っていますか?
トモカ:はい~!私も初めてオーストラリアに来たときになんじゃこれ、と思って注文してみたらおいしい!と思って。オーストラリアとニュージーランドだけなんですかね?他の国ではみないですよね。
マチ:名前聞いただけだと、なんだかよくわからないですね。
ユカ:オーストラリアではメジャーな飲みもので、イメージとしてはラテですが、ミルクのスティームが違うそう。
ラテよりもキメの細かい泡をスティーマーで丹念に作り上げ、それをエスプレッソに絡めるようにしてクリーミーなミルクで仕上げます。
私の友達も、日本で普及してほしいくらいおいしいと言っていました!
トモカ:同意します!すっごくおいしいです!
―一番コーヒーをよく飲むのはどこの国!?
ユカ:では最後にここでクイズを出したいと思います。
こんなにもコーヒー文化が根付いているオーストラリアよりも、じつはもっともっとコーヒーを良く飲む国がたくさんあります。
ある経済ニュースサイトがデータをもとに、
一日に飲むコーヒーのカップ数が多いランキングを発表しました。
トモカ:え~、調べ方も気になりますね。街角インタビューとか?
“今日飲みましたか?飲みましたか!?”って。
笑
ユカ:さて、そのランキング1位に輝いたのはどこの国だったでしょうか?
1、オランダ 2、カナダ 3、ブラジル
みなさんどこの国だと思いますか?
正解は1のオランダでした。1日に平均2.414杯飲むそうです。
実は日本のコーヒーのはじまりは、このオランダ人が18世紀に長崎の出島に持ち込んだというところからきているそうです。
トモカ:そのシーン時代劇でみたことある!!始めてコーヒー飲んだ人、“なにこれまずっ!”みたいな。笑
マチ:苦いですしねー。黒いし!!
ユカ:ちなみにカナダは12位で1.009杯、ブラジルは31位で0.382杯です。
マチ:オーストラリアはどのくらいなんですか?
ユカ:オーストラリアは40位で0.365杯という結果でした!
トモカ:えー!日本人のほうがよく飲むんですか!?
ユカ:日本は51位で0.245杯でした。
まだまだ世界にはコーヒーをたくさん飲んでいる国が多くあるのですね!
何はともあれこのコーヒー文化は今後も、オーストラリアに住む人たちにとって欠かせないものでありつづけるでしょうね。
(参考サイト:Quartz)
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オーストラリアに来たばかりのころは、カフェでの注文に困ることがたびたびありました。
フラットホワイトなんてどんな飲みものか想像もできないし、普通のコーヒーすらどれなのかよくわからない。
日本とは名称もちがいますからね。
このように。↓
ブラックコーヒー → 「ロングブラック」
エスプレッソ → 「ショートブラック」
ココア → 「ホットチョコレート」
アイスコーヒー → 「アイスドコーヒー」
日本で出てくるアイスコーヒーを想像して頼んだら違った!!
という話はよく耳にします。
オーストラリアのアイスコーヒーはコレ。
アイスが入ったコーヒー(アイスドコーヒー)。笑
わたしはおいしいから好き。
アイスクリームと生クリームがついてくるから、日本の甘くないアイスコーヒーが飲みたい人は困るかも。
これはチャイラテ。こっちのあったかい飲み物はグラスに入って出てくるんです。おいしい~♡ そしておしゃれ!
同じくカフェ文化のつよいイタリアにもスタバは一軒もないみたいですし(まだないよね?)、その土地の文化的背景ってすごく事業に影響するんだなあ、ということを感じました。
-日本の食文化が原因で撤退
逆に日本の文化的背景が原因で、海外の企業が日本から撤退したことってあるのかな?
と気になって調べてみたところ、ありました。
フランスのカルフールやイギリスのテスコといった世界の大手スーパーマーケットです。
いずれも過去に日本から撤退しているのですが、その原因は日本の食文化。
大量に買いだめしておくことが多い欧米の家庭とは違い、日本人の多くはその日その日の新鮮な食材を買い求めるため、頻繁にスーパーに足を運びます。
さらに地域によって食べる野菜などが異なるなど、土地によって食文化もさまざま。
よって日本のスーパーは回転率も速いですし、地域に根付いた食材を提供します。
速い回転率を重視しておらず、地域の多様性への対応が難しかったカルフールとテスコはあえなく日本から撤退したのです。
(参考サイト:PRESIDENT Online)
自分が普通だ、当たり前だと感じていて疑問にも思わないようなことでも、
今回のスタバやスーパーマーケット撤退のニュースを聞くと、自分たちの文化を客観的に見ることができて面白いですよね。
そんなことに気付かせてくれた今回のトークでした。
やっぱり文化っておもしろい!!!
(おしまい)
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