香港出身の友達とゆるトーク その③ -「それは興味じゃない。責任なの。」香港の若者の政治に対する姿勢。
香港出身の女の子、フィービーとのトーク第三弾です。
前回は、イギリスから返還されてからの香港と中国の関係について話しました。
2017年の選挙を前に香港の人々が今感じているのは、言論の自由の揺らぎ。
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―象徴としての7月1日。
フィービー:7月1日は香港が中国の政権下に戻った日。
今、香港では色んな人が色んな意見を言ってる。私がオーストラリアに来る前もすごくネガティブな意見を聞いたよ。
「今の政府は良くない」とか、「人々のことを考えていない」とか。
多くの政党は、選挙は規制されずにオープンに開催したい、って抗議してる。
それが今私たちが戦っていること。
ほとんどの人がね。
香港は普段から抗議活動が多いことで有名だけど、特に7月1日の祝日には多くの人が集まるんだ。
その日は香港特別行政区の始まった日だから。
香港中の人が自分たちの権利について主張しにやってくるよ。
政府に対して、今自分たちが何を求めているのかを訴えるの。
抗議活動は普段からやっているから、7月1日は政府に抗議するための象徴のようなもの。
特に今はたくさんの議論が交わされていて、少しバイオレンスな感じもある。
いくつかのキャンペーンは私も応援するよ。
リーダーが何かを言って、他の人々はそれに従うの。それが私たちのすること。
香港のそれぞれの大学には、政治や経済、社会について話し合うスチューデントアソシエーションがある。
だからたくさんの10代の若者が自ら抗議に参加する。
参加したいと思っているし、求めてるもののために戦いたいと思ってる。
若者にとって抗議活動に参加するのは普通のことなの。
日本の若者はあんまりそういうことしないよね?
―それは興味ではない。
マチ:日本には政府や政策に興味のない若者が多い。香港では若者の政治に対する興味関心がすごく高いんだね。
フィービー:それは興味とは言えないな。自分たちの政府について考えることは私たちの責任だと思う。
だってそれは生活に影響するでしょう。
私たちは教育を受けるし、テレビも見るし、新聞も読む。
今社会で何が起きているのかを知る。
だから若者は抗議するの。
意見を言いたいの。
Facebookのようなソーシャルメディアや、フォーラムで自分が考えていることを話すのはとても一般的だよ。
マチ:日本の多くの若者には、政治が生活と強く結びついているという実感がないんだと思う。
フィービー:持たなきゃいけない。それは私たちの生活や未来、仕事に影響するし、教育だってそう。
政府によって法律が決められ、学校が設立され、教育に影響してる。
日々の生活の中で私たちがすること、話したり、パソコンを使ったり、すべて。
それは政治に関係してる。それが私たちの考えること。
だからそれは興味じゃない。責任なの。
そう。私たちは行動しなきゃいけない。
日本人の若者もそうすべきだよ。
抗議しろとは言わないけど、社会に対して自分は何ができるのか考えるの。
興味があることだけじゃなくて、今社会で何が起きているのかについて考えるべき。
日本政府は消費税を上げたよね。
政府の変更は生活に影響するんだから、それが自分たちの生活にとって良いのか悪いのかを考えなきゃ。
私たちのお金を使って、求めていることを実現してくれる政府なのか?
私たちのためにもっと病院を建設しようとしているのか?
よりよい施設を人々に提供しようとしているのか?
それが私たちの考えること。
その税は私たちが払えるものなのか?政府はその税金を正しく使えるのか?
それが若者が考えなきゃいけないこと。
だって若者は未来だから。
これからの社会で何をしていくのか。会社に入って社会の一員になるんだから。
私たちはもう子供じゃない。
若者たちは社会に出る前にすこし早く知識をつけないと。
若者が一体になれば、社会に大きな影響を与えられる。
(おしまい)